
「特定の担当者しか業務手順を把握していない」「担当者が不在だと業務が停滞してしまう」といった属人化の状態は、多くの企業が抱える課題です。属人化を放置することは、業務品質のばらつきや退職によるノウハウの喪失など、重大な経営リスクに直結します。
本記事では、属人化の定義や発生原因を整理し、業務フローの可視化からマニュアル作成、ERPなどのシステム活用による標準化まで、属人化を解消するための具体的な手順をご紹介します。
この記事で分かること
- 属人化の正しい意味と標準化との違い
- 属人化が発生する原因と放置する経営リスク
- 業務の標準化と属人化解消に向けた5つの手順
属人化とはどのような状態か
企業が成長を続ける過程で、多くの経営層や部門責任者が直面する課題の一つに「業務の属人化」があります。特に、基幹システムの刷新やERP(統合基幹業務システム)の導入を検討する段階において、この属人化が大きな障壁となるケースは少なくありません。
まずは、属人化という言葉が具体的にどのような状態を指し、なぜそれが企業にとって解決すべき課題なのか、その定義と本質を正しく理解することから始めましょう。
属人化の意味と定義
属人化(ぞくじんか)とは、ある特定の業務の手順や進捗状況、判断基準などが特定の担当者に依存しており、その担当者以外には業務の実態が正確に把握できていない状態を指します。
この状態に陥ると、担当者が不在の際に業務が滞るだけでなく、業務プロセスがブラックボックス化し、ミスが発生しても発見が遅れる原因となります。長年の経験や勘に頼る「職人技」として肯定的に捉えられることもありますが、組織運営の観点からは、事業継続性(BCP)やガバナンスのリスク要因となり得ます。
具体的には、以下のような状況が見られる場合、その業務は属人化していると言えます。
- 担当者が休暇を取ると、特定の処理がストップしてしまう
- マニュアルが存在せず、口頭伝承や担当者のメモ書きで業務が回っている
- 担当者によって成果物の品質や処理スピードに大きなばらつきがある
- システム外のExcelやAccessで個別にデータを管理しており、全社の数字と合わない
属人化と標準化の違い
属人化の対義語として用いられるのが「標準化」です。標準化とは、業務の手順やルールが明確に定められ、特定の個人に依存せず誰が担当しても一定の品質とスピードで業務を遂行できる状態を指します。
ERPの導入やDX(デジタルトランスフォーメーション)を成功させるためには、属人化した業務を標準化されたプロセスへと移行させることが不可欠です。両者の違いを整理すると、以下のようになります。
| 比較項目 | 属人化された状態 | 標準化された状態 |
|---|---|---|
| 業務プロセス | 担当者の独自ルールや記憶に依存 | マニュアルやシステムで統一 |
| 情報の透明性 | ブラックボックス化(担当者のみ把握) | 可視化(誰でも状況を確認可能) |
| 業務品質 | 担当者の能力や体調により変動 | 誰が行っても均一な品質を維持 |
| 引継ぎ・教育 | 長期間のOJTが必要で困難 | マニュアルやシステムにより短期間で可能 |
| システム適応 | 部門個別システムやExcelが乱立 | 統合型システム(ERP)への適合が容易 |
専門性が高い業務と属人化の区別
属人化の解消を議論する際によく混同されるのが、「専門性が高い業務(スペシャリストの業務)」との違いです。「この仕事は専門知識が必要だから、特定の人にしかできないのは仕方がない」という意見が現場から挙がることがあります。
しかし、「高い専門性が必要なこと」と「業務プロセスが不透明であること」は明確に区別して考える必要があります。
真のスペシャリストは、高度な判断を行いつつも、その判断に至るプロセスや根拠を言語化・形式知化し、組織に還元することができます。一方で、属人化は「情報を抱え込み、共有しない(できない)」状態です。たとえ高度な専門業務であっても、フローを分解し、システムやマニュアルに落とし込むことで、属人性を排除し標準化することは十分に可能です。
企業が目指すべきは、個人のスキルに依存しきった属人化ではなく、システムや仕組みによって標準化された土台の上で、社員がより付加価値の高い業務に専門性を発揮できる環境づくりです。
業務の属人化が発生する主な原因
特定の担当者に業務が依存してしまう「属人化」は、決してその担当者個人の抱え込みだけが原因ではありません。多くの場合、組織としての仕組みや環境、リソースの問題が複雑に絡み合って発生します。ここでは、企業において業務の属人化が発生してしまう主な3つの原因について解説します。
業務マニュアルやルールの不在
最も基本的かつ頻繁に見られる原因は、業務の手順や判断基準が明文化されていないことです。特に中小・中堅企業では、創業期からの慣習で「先輩の背中を見て覚える」といったOJT(On-the-Job Training)偏重の教育が行われているケースが少なくありません。
マニュアルや明確なルールが存在しない場合、業務の品質や進め方は担当者の記憶や経験則に依存することになります。結果として、担当者が独自に編み出した効率的な手順や、逆に非効率なやり方がブラックボックス化し、他の社員には手出しができない聖域となってしまうのです。
- 業務手順書が作成されていない、または内容が古く実態と乖離している
- 例外的な処理が発生した際の判断基準が明確になっていない
- マニュアルの更新ルールが決まっておらず、形骸化している
情報共有の仕組み不足とExcelの乱立
組織全体で情報を共有・管理する基盤が整っていないことも、属人化を加速させる大きな要因です。特に多くの企業で課題となっているのが、部門ごとに最適化されたシステムや、個人が作成したExcelファイルによるデータ管理です。
現場レベルでは手軽なExcelやAccessなどが多用されがちですが、これらは作成者本人しか計算式やマクロの構造を理解していない「野良Excel」となりやすい傾向があります。データが各担当者のローカル環境や部門サーバーに散在することで、組織としての一元管理が困難になり、担当者不在時には必要な情報にさえアクセスできない状況を招きます。
- 部門間でシステムが連携しておらず、データの二重入力が発生している
- 複雑な計算式やマクロが組まれたExcelファイルが業務の基盤になっている
- 最新のファイルがどこにあるのか、担当者しか把握していない
担当者の多忙と教育体制の不備
慢性的な人手不足や業務過多も、属人化の悪循環を生み出す原因となります。特定のスキルを持つ社員に業務が集中すると、その担当者は日々の実務に追われ、マニュアルを作成したり後進を育成したりする時間を確保できなくなります。
「教えるよりも自分でやった方が早い」という状況が続くと、業務のノウハウは担当者の中に蓄積される一方で、組織としての知見にはなりません。教育体制の不備と担当者の多忙さが相まって、属人化を解消したくてもできないというジレンマに陥っている企業は非常に多いのが実情です。
属人化を放置することで生じる企業のリスク
特定の担当者のスキルや記憶に依存する「属人化」は、短期的には業務が回っているように見えても、中長期的には経営の足かせとなる重大なリスクを孕んでいます。特に事業規模が拡大し、組織的な動きが求められるフェーズにおいては、属人化を放置することが企業の成長を阻害する要因となりかねません。
ここでは、属人化が企業経営に及ぼす主な3つのリスクについて解説します。
業務品質のばらつきとミスの発生
業務の手順や判断基準が標準化されておらず、個人の裁量に委ねられている場合、担当者によって成果物の品質に大きな差が生じます。ベテラン社員が担当すれば高品質な成果が得られる一方で、経験の浅い社員が担当するとミスが多発するといった事態は、組織としての信頼性を損なう原因となります。
また、独自のやり方(「オレオレ手順」や「秘伝のExcelマクロ」など)が横行することで、ダブルチェックや監査が機能しづらくなります。誰も正しい手順を検証できない状態は、品質低下だけでなく、コンプライアンス違反や不正のリスクを高めることにもつながります。
担当者不在による業務停滞とブラックボックス化
「この業務は〇〇さんしか分からない」という状態は、その担当者が不在になった瞬間に業務が停止するリスクを意味します。担当者の病気や怪我、急な家族の事情などで長期間の不在が発生した場合、請求書の発行が遅れたり、決算処理が締め切りに間に合わなかったりと、対外的な信用問題に発展するケースも少なくありません。
さらに深刻なのが業務の「ブラックボックス化」です。プロセスが可視化されていないため、経営層や管理職は業務のボトルネックを把握できず、適切な業務改善やシステム投資の判断ができなくなります。業務のブラックボックス化は、無駄なコストの温床となるだけでなく、全社的なデジタルトランスフォーメーション(DX)を推進する上での最大の障壁となります。
退職や休職によるノウハウ喪失
少子高齢化が進む日本国内において、熟練社員の退職に伴うノウハウの喪失は、多くの企業が直面している深刻な課題です。長年の経験で培われた「暗黙知」が形式知として共有されないまま担当者が退職してしまうと、企業にとって貴重な知的資産が失われることになります。
後任への引き継ぎにおいても、マニュアルや標準化されたフローが存在しないため、口頭伝承やOJTに頼らざるを得ません。これにより、教育に膨大な時間がかかるだけでなく、伝言ゲームのように情報の精度が落ちていく悪循環に陥ります。
属人化された状態と標準化された状態での、退職リスクに対する耐性の違いは以下の通りです。
| 項目 | 属人化している状態 | 標準化されている状態 |
|---|---|---|
| 退職時の影響 | 業務が停止し、ノウハウが完全に失われる | マニュアルやシステムにより業務が継続可能 |
| 引き継ぎ期間 | 数ヶ月〜半年以上(完了しない場合もある) | 数日〜数週間で完了する |
| 教育コスト | 見て覚える必要があり、教育担当の負担が大 | 標準フローに沿って自習・実践が可能 |
| 業務の再現性 | 後任者の能力に依存し、品質が低下しやすい | 誰が担当しても一定の品質を維持できる |
このように、属人化を解消し業務を標準化することは、単なる効率化にとどまらず、企業の事業継続計画(BCP)の観点からも不可欠な取り組みと言えます。
属人化を解消するための5つのステップ
特定の担当者に業務が依存する「属人化」の状態は、企業の成長を阻害する大きなリスク要因です。しかし、長年の慣習として定着した業務プロセスを、現場の努力だけで変えることは容易ではありません。属人化を根本から解消し、組織全体で業務品質を担保するためには、経営層や部門責任者が主導となり、正しい手順で改革を進める必要があります。
ここでは、属人化を解消し業務の標準化を実現するための具体的なプロセスを、5つのステップに分けて解説します。
現状の業務フローを洗い出し可視化する
最初に行うべきは、現在「誰が」「どのような手順で」「どれくらいの時間をかけて」業務を行っているかを正確に把握することです。属人化が進んでいる現場では、担当者以外が業務の実態を把握できていない「ブラックボックス化」が起きています。
まずは業務の棚卸しを行い、隠れているタスクや独自の判断基準をすべて明るみに出します。この段階では、良し悪しを判断せず、ありのままの業務フローを可視化することが重要です。
- 業務の棚卸し:担当者へのヒアリングを行い、日次・月次・年次の全タスクをリストアップする
- フロー図の作成:業務の開始から終了までの流れを図式化し、関係者や使用システムを明確にする
- インプットとアウトプットの確認:情報の入手元と、成果物の提出先や形式を特定する
不要な業務を削減しシンプルにする
業務の全容が見えたら、次に行うのは「業務の断捨離」です。属人化している業務の中には、慣例的に続いているものの、現在のビジネス環境では不要になった作業や、過剰な品質を追求している工程が含まれていることが少なくありません。
複雑に入り組んだ業務プロセスをそのままマニュアル化やシステム化しようとすると、かえって現場の負担が増し、定着しない原因となります。業務改善のフレームワークである「ECRS(イクルス)の原則」などを用い、標準化の前に業務自体をシンプルにすることが成功の鍵です。
- Eliminate(排除):その業務はなくせないか?
- Combine(結合):別の業務と一緒にできないか?
- Rearrange(交換):手順や担当者を変えられないか?
- Simplify(簡素化):もっと単純な方法にできないか?
業務の標準化を行いマニュアルを作成する
業務プロセスを整理・スリム化した上で、誰が担当しても同じ成果が出せるよう「業務の標準化」を行います。特定の個人のスキルや記憶に頼っていた手順を、客観的なルールとして明文化し、マニュアルを作成します。
マニュアルは一度作成して終わりではなく、業務の変化に合わせて更新し続けることが重要です。文字だけの分厚いマニュアルは読まれない傾向にあるため、スクリーンショットや動画を活用したり、チェックリスト形式にしたりするなど、現場が活用しやすい形式を検討しましょう。
ナレッジを共有する仕組みを構築する
業務の手順だけでなく、トラブル発生時の対応ノウハウや、業務を円滑に進めるためのコツといった「ナレッジ(知識)」を共有することも欠かせません。マニュアル化しにくい暗黙知を形式知へと変え、組織の資産として蓄積する仕組みが必要です。
定期的な勉強会の開催や、社内Wiki、ビジネスチャットなどのツールを活用し、社員同士が気軽に質問・共有できる文化を醸成します。これにより、特定の「スペシャリスト」に依存することなく、組織全体で課題解決能力を高めることができます。
システム導入により標準化を定着させる
属人化解消の最終ステップであり、最も確実な方法は、ITシステムの導入によって標準化されたフローを定着させることです。人の意志や努力に頼る運用ルールは、多忙な現場では徐々に形骸化し、再び属人化してしまうリスクがあります。
システムを導入し、そのワークフローに乗らなければ業務が進まない環境を作ることで、強制力を持って標準化を維持できます。特に、各部門でExcelや個別のツールが乱立している状態は、データの分断や二重入力を招き、属人化の温床となりがちです。
部門ごとに最適化された個別システムやExcel管理から脱却し、全社でデータを一元管理できる統合型システム(ERPなど)へ移行することは、属人化リスクを根本から断つための有効な手段となります。
| 比較項目 | Excel・個別システムによる管理 | 統合型システム(ERP)による管理 |
|---|---|---|
| 業務フロー | 担当者ごとの独自ルールが発生しやすい | システムが推奨する標準フローに統一される |
| データ管理 | ファイルが散在し、最新版が不明になる | データベースで一元管理され、常に最新 |
| 属人化リスク | 計算式やマクロがブラックボックス化する | 処理ロジックがシステム化され透明性が高い |
| 経営への影響 | 集計に時間がかかり、意思決定が遅れる | リアルタイムで経営数値を可視化できる |
属人化解消の切り札となるERPの活用
前章までは、現場レベルでの業務フローの見直しやマニュアル作成といった、即効性のある属人化解消ステップについて解説しました。しかし、企業規模が拡大し、年商数百億から数千億円規模の中堅企業へと成長する過程においては、個人の努力や部門ごとのルール作りだけでは限界が訪れます。
そこで、組織全体の属人化を根本から解消し、持続的な成長基盤を築くための切り札となるのが「ERP(Enterprise Resource Planning:統合基幹業務システム)」の活用です。ERPは単なる業務システムではなく、企業の業務プロセスそのものを標準化し、全社最適を実現するための経営プラットフォームと言えます。本章では、なぜERPが属人化解消に効果的なのか、そのメカニズムと活用ポイントを解説します。
部門個別システムから統合型システムへの転換
多くの企業では、会計、販売管理、在庫管理、人事給与など、業務ごとに異なるシステムやExcelファイルが乱立しているケースが散見されます。このような「部門個別システム」の状態こそが、属人化の温床となっているのです。
システムが分断されていると、部署間のデータ連携において、担当者が手作業でデータの加工や転記を行う必要が生じます。この「つなぎの業務」は、特定の担当者の知識やスキルに依存しやすく、その人が不在になるとデータ連携が滞るリスクを抱えています。
ERPを導入し、これらの業務を統合型システムへと転換することで、以下のような変化が生まれます。
- マスタデータや取引データが全社で一元化され、二重入力や転記作業が不要になる
- 部署間のデータ連携がシステム内で自動的に完結するため、人の手による介在(属人化)が排除される
- 業務プロセスがシステムによって定義されるため、担当者が変わっても同じ手順で業務を遂行できる
つまり、システムを統合することは、業務のブラックボックス化を防ぎ、誰が操作しても正しい結果が得られる仕組みを構築することと同義なのです。
ベストプラクティスの活用による業務標準化
ERP導入において最も重要な考え方の一つに「Fit to Standard(標準機能への適合)」があります。これは、自社の独自ルールに合わせてシステムをカスタマイズするのではなく、ERPが提供する標準的な業務プロセス(ベストプラクティス)に、自社の業務を合わせていくというアプローチです。
長年、特定の担当者に依存してきた業務には、その人独自のやり方や、過去の経緯による複雑なローカルルールが含まれていることが少なくありません。これらをそのままシステム化しようとすると、アドオン開発(追加開発)が膨らみ、システム自体が属人化してしまいます。これでは、担当者が退職した際にシステムのメンテナンスすら困難になる「老朽化システム」を生み出す原因となります。
対して、多くの先進企業で採用されているベストプラクティスを活用することは、業務の標準化を強力に推進する原動力となります。
- 個人の経験や勘に頼った業務フローから、業界標準の効率的なプロセスへと強制的に移行できる
- 標準機能を利用するため、マニュアル作成や教育の手間が大幅に削減される
- 法改正やビジネス環境の変化に対応したバージョンアップを享受しやすくなる
ERPの導入は、単なるシステムの入れ替えではありません。「今の業務をどうシステムに乗せるか」ではなく、「本来あるべき標準的な業務とは何か」を見直す絶好の機会と捉え、業務改革(BPR)を断行することが、属人化からの完全な脱却につながります。
データの一元管理による経営の見える化
属人化の最大のリスクは、現場で何が起きているかが経営層から見えなくなることです。「あの人に聞かないと正確な数字が分からない」「集計に時間がかかり、月次決算が締まるまで経営状況が把握できない」といった状態は、迅速な経営判断を阻害します。
ERPによってあらゆる業務データが一元管理されると、経営に必要な情報はリアルタイムで可視化されます。これにより、特定の担当者を介さずとも、経営層や部門責任者が自らダッシュボードで状況を確認できるようになります。
以下の表は、属人化している状態とERP活用後の状態における、経営情報の扱いの違いを整理したものです。
| 比較項目 | 属人化している状態(個別システム・Excel) | ERP活用後の状態(統合データベース) |
|---|---|---|
| データの整合性 | 各部署で数値が食い違い、調整に時間がかかる | 全社で同一のデータを参照するため、常に整合する |
| 情報の鮮度 | 担当者の集計作業待ちで、過去の情報しか見えない | リアルタイムに更新され、今の状況が即座に見える |
| アクセス性 | 特定の担当者経由でないと情報が入手できない | 権限を持つ人がいつでもシステムから確認できる |
| 経営判断 | 不確実な情報や遅れた情報に基づく判断になりがち | 正確かつ最新のデータに基づいた迅速な意思決定が可能 |
このように、データの一元管理は、業務の属人化を解消するだけでなく、経営の透明性を高め、ガバナンス(企業統治)を強化する上でも不可欠な要素です。ERPは現場の負担を減らすだけでなく、経営層が正しい舵取りを行うための羅針盤としての役割を果たします。
属人化に関するよくある質問
属人化の対義語は何ですか?
属人化の対義語は標準化です。標準化とは、特定の担当者の能力や経験に依存せず、誰が業務を行っても同じ手順で一定の品質や成果が出せる状態のことを指します。
属人化にはメリットもありますか?
特定の個人に業務が集中することで、意思決定のスピードが上がったり、その担当者の専門スキルが深まったりするメリットはあります。しかし、組織全体での継続性やリスク管理の観点からは、デメリットの方が大きくなる傾向にあります。
どのような業務が属人化しやすいですか?
高度な専門知識を要するエンジニア業務や経理業務、あるいは個人の裁量が大きく成果が個人の資質に左右されやすい営業職などで属人化が起こりやすいといえます。
属人化とスペシャリストの違いは何ですか?
スペシャリストは高い専門性を持ちながらもプロセスや知見を組織に還元できますが、属人化は業務プロセスがブラックボックス化し、その人でなければ業務が回らない状態を指すという違いがあります。
属人化を解消するには何から始めるべきですか?
まずは業務の棚卸しを行い、現状の業務フローと誰が何を担当しているかを可視化することから始めます。その上で不要な業務を削減し、マニュアル化を進めるのが一般的な手順です。
まとめ
本記事では、属人化の意味やリスク、そして解消に向けた具体的なステップについて解説しました。属人化を放置することは、業務品質のばらつきや担当者不在時の業務停滞、さらには退職によるノウハウの喪失といった重大な経営リスクにつながります。組織が持続的に成長するためには、業務の可視化と標準化を進め、特定の個人に依存しない体制を構築することが不可欠です。
しかし、マニュアル作成やルールの徹底だけでは、形骸化してしまう恐れもあります。そこで検討したいのが、業務プロセスそのものをシステムで標準化できるERPの活用です。ERPを導入することで、ベストプラクティスに基づいた業務フローが定着し、属人化の解消と業務効率化を同時に実現できるでしょう。まずは自社の課題解決につながるERPの情報収集から始めてみてはいかがでしょうか。

