SAP Fieldglassとは?主な機能や導入メリット、SAP製品との連携を解説

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この記事でわかること

  • SAP Fieldglassの概要と主な機能
  • SAP Fieldglassを導入するメリットと注意点
  • SAP S/4HANAやSAP SuccessFactorsとの違い・連携方法
  • SAP Fieldglassの導入手順と費用の考え方

外部人材の活用が広がるなか、派遣社員や業務委託先の契約、稼働状況、コストなどを適切に管理することが重要になっています。しかし、部門ごとに管理方法が異なり、外部人材の情報を一元的に把握できていない企業も少なくありません。

こうした課題の解決に役立つのが、SAPが提供する外部人材管理ソリューション「SAP Fieldglass」です。

本記事では、SAP Fieldglassの特徴や主な機能、導入メリット、SAP製品との連携について解説します。導入を検討する際のポイントも紹介するので、ぜひ参考にしてください。

SAP Fieldglassとは

SAP Fieldglassとは、SAPが提供するクラウド型の外部人材管理ソリューションです。派遣社員や業務委託先などの外部人材について、調達から契約、稼働管理、支払いに関連する業務までを効率化できます。

外部人材の管理に特化したベンダー管理システム(VMS:Vendor Management System)として位置付けられており、人事部門だけでなく、調達・購買部門や経営管理部門でも活用できます。

SAP Fieldglassの基本概要

SAP Fieldglassは、企業が外部から調達する人材やサービスを管理するためのシステムです。社内の正社員を中心とした人事管理とは異なり、派遣社員、契約スタッフ、フリーランス、外部サービスプロバイダーなどを主な管理対象としています。

例えば、システム開発のために外部エンジニアを確保する場合、従来は募集依頼、契約、稼働時間の確認、請求処理などを別々の仕組みで管理することがありました。

SAP Fieldglassを活用すれば、こうした業務を共通のプラットフォーム上で管理し、関係者間の情報共有や承認を進めやすくなります。

また、外部人材の人数や契約状況、関連コストなどを可視化できることも特徴です。複数の事業部や拠点で外部人材を活用している企業ほど、一元管理による効果が期待できます。

SAP Fieldglassが注目される背景

SAP Fieldglassが注目される背景には、外部人材の活用拡大と管理業務の複雑化があります。企業が必要なスキルを柔軟に確保するうえで、外部人材や専門サービスの活用は重要な選択肢です。

一方、外部人材の管理が部門ごとに分散すると、次のような課題が発生しやすくなります。

  • 外部人材が何人稼働しているのか把握できない
  • 契約期間や契約単価の管理が属人化している
  • 同じ業務でも部門によって調達条件が異なる
  • 契約終了後のアカウントや入館権限が残ってしまう
  • 外部サービスに関する支出を正確に分析できない

こうした状況では、コスト管理だけでなく、情報セキュリティやコンプライアンスの面でもリスクが生じます。

SAP Fieldglassは、外部人材の調達・管理プロセスを標準化し、関係部門が共通の情報を確認できる環境を整えることで、これらの課題への対応を支援します。

SAP Fieldglassと一般的な人事管理システムの違い

SAP Fieldglassと一般的な人事管理システムの大きな違いは、主な管理対象です。一般的な人事管理システムが自社の従業員を中心に扱うのに対し、SAP Fieldglassは外部人材や外部サービスの調達・管理に重点を置いています。

比較項目 SAP Fieldglass 一般的な人事管理システム
主な管理対象 派遣社員、契約スタッフ、外部サービスなど 正社員、契約社員など自社が雇用する従業員
主な目的 外部人材の調達・契約・稼働・コスト管理 従業員情報や人事労務業務の管理
主な利用部門 調達・購買、人事、各事業部門 人事、労務、経営管理
代表的な管理情報 契約期間、調達単価、稼働時間、サービス成果など 雇用情報、所属、給与、人事評価など

ただし、両者は完全に独立した仕組みではありません。外部人材と従業員の情報を組み合わせれば、組織全体の人材配置やスキル構成を把握しやすくなります。

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SAP Fieldglassの主な3つの機能

SAP Fieldglassの主要な機能は、外部要員管理、サービス調達、要員プロファイル管理の3つに分けられます。それぞれ管理対象や役割が異なるため、自社の課題に合わせて理解することが重要です。

外部要員管理(Contingent Workforce Management)

外部要員管理は、派遣社員などの外部人材を調達し、契約から稼働終了までのライフサイクルを管理する機能です。人材の募集、候補者の選定、オンボーディング、稼働状況の確認などを支援します。

代表的な機能には、次のようなものがあります。

  • 外部人材の募集依頼と候補者の管理
  • 候補者のスキルや条件に基づく選定支援
  • 契約・アサインメント情報の管理
  • タイムシートによる稼働時間の記録と承認
  • 契約終了時のオフボーディング管理
  • 外部人材に関する支出や稼働状況の分析

例えば、複数の開発プロジェクトで外部エンジニアを活用している企業では、各プロジェクトの必要人員や契約条件を共通の仕組みで管理できます。

また、契約期間や稼働実績を確認することで、契約更新の判断や予算管理にも役立ちます。SAP Fieldglass Contingent Workforce Managementでは、SAP Business AIや機械学習による候補者の特定・選定支援も提供されています。

サービス調達(Services Procurement)

サービス調達は、企業が外部の事業者に委託する業務やプロジェクトを管理する機能です。人材一人ひとりの稼働管理だけでなく、委託業務の内容、成果、費用などを管理することに重点を置いています。

例えば、次のような業務が対象となります。

  • ITシステムの開発・運用・保守
  • 設備の点検やメンテナンス
  • 専門コンサルティング業務
  • マーケティングやクリエイティブ制作
  • 施設管理やセキュリティ関連サービス

こうした業務では、作業時間だけでなく、契約で定められた成果物やサービスの提供状況を確認することが重要です。

SAP Fieldglass Services Procurementでは、作業範囲記述書(SOW:Statement of Work)などを利用し、業務範囲や条件、進捗、成果に関連する情報を管理できます。

これにより、外部サービスの調達から実績確認までの流れを可視化し、契約内容に沿った支出管理を進めやすくなります。

要員プロファイル管理(Worker Profile Management)

要員プロファイル管理は、外部人材に関する情報を一元的に把握するための機能です。外部人材の基本情報や所属、契約に関連する情報などを管理し、組織全体での可視性を高めます。

企業によっては、外部人材を人事部門ではなく各事業部が管理している場合があります。その結果、誰がどの拠点で働いているのか、必要な研修を受けているのかといった情報が分散することがあります。

要員プロファイル管理を活用すれば、外部人材の情報を共通の記録として整理し、関連部門が確認できる仕組みを構築できます。

また、オンボーディングやオフボーディングの手続きを管理することで、情報セキュリティや社内規程への対応にも役立ちます。ただし、実際のアクセス権限の停止などは、社内のID管理システムとの連携や運用設計が必要です。

SAP Fieldglassを導入する5つのメリット

SAP Fieldglassを導入する主なメリットは、外部人材の可視化、管理業務の効率化、コスト管理の高度化、コンプライアンスの強化、人材調達の柔軟性向上です。個別業務の効率化だけでなく、外部人材の活用方法を組織全体で見直すことにもつながります。

1. 外部人材の情報を一元管理できる

SAP Fieldglassを活用すれば、部門ごとに分散している外部人材の情報を一元管理しやすくなります。契約状況や稼働情報などを共通のシステムで確認できるため、管理の透明性向上が期待できます。

特に、複数拠点や事業部で外部人材を利用している企業では、全社的な情報の把握が重要です。外部人材の人数や契約状況を把握できれば、必要な人材の確保や重複した調達の見直しにも役立ちます。

2. 外部人材の調達・管理業務を効率化できる

SAP Fieldglassでは、外部人材の募集依頼や承認、稼働実績の確認といった業務を共通のワークフローで管理できます。メールやExcelなどを使った手作業を減らし、業務の標準化を進められることがメリットです。

例えば、派遣社員の稼働時間を紙や表計算ソフトで集計している場合、確認や転記に時間がかかることがあります。タイムシートの記録や承認をシステム上で管理すれば、関係者間で情報を共有しやすくなります。

ただし、自動化の範囲は導入する機能や設定、既存システムとの連携状況によって異なります。

3. 外部人材やサービスのコストを可視化できる

SAP Fieldglassは、外部人材や外部サービスに関する支出を把握し、コスト管理を高度化するために役立ちます。契約単価や稼働実績などを確認することで、支出の内訳や傾向を分析しやすくなります。

例えば、同じ職種の外部人材でも、調達する部門や取引先によって契約単価が異なる場合があります。情報を集約すれば、こうした差を把握し、調達条件の見直しを検討できます。

また、プロジェクト単位で外部サービスの費用を確認できれば、予算と実績の比較や将来の調達計画にも活用できます。

4. コンプライアンスとセキュリティ管理を強化できる

SAP Fieldglassを活用することで、外部人材の契約条件や管理手続きを標準化し、コンプライアンスへの対応を支援できます。特に、契約期間や必要な資格、研修、オフボーディングなどを適切に管理することが重要です。

外部人材は、企業の従業員とは異なる契約形態で業務を行う場合があります。そのため、派遣契約と業務委託契約の違いや、実際の業務指示の方法などに注意が必要です。

また、契約終了後のアカウント管理や貸与機器の回収も、情報セキュリティ上の重要な課題です。

ただし、システムの導入だけで法令遵守が保証されるわけではありません。日本の労働者派遣法などの適用関係を確認し、契約形態に応じた管理ルールを整備する必要があります。

5. 必要な人材を柔軟に確保しやすくなる

SAP Fieldglassは、事業の状況に応じて外部人材を調達・管理するための仕組みを提供します。人材要件や調達条件を整理することで、必要なスキルを持つ人材を確保するためのプロセスを改善できます。

例えば、新規システムの開発や一時的な業務量の増加に対応する場合、正社員の採用だけでは必要なタイミングに人材を確保できないことがあります。

外部人材の調達プロセスを標準化すれば、候補者の確認や承認を進めやすくなり、事業環境の変化に対応しやすくなります。ただし、実際の調達スピードは人材市場や取引先の状況にも左右されます。

SAP Fieldglassと他のSAP製品の違い・連携

SAP Fieldglassは単独でも外部人材管理に利用できますが、ERPや人事管理システムと連携することで、より広い業務を管理できます。特にSAP S/4HANA、SAP SuccessFactors、SAP Aribaとの役割の違いを理解しておくことが重要です。

SAP FieldglassとSAP S/4HANAの違い

SAP Fieldglassは外部人材やサービスの調達・管理に特化したシステムであり、SAP S/4HANAは会計、購買、販売、在庫などの基幹業務を支えるERPです。両者は管理対象が異なりますが、連携によって業務情報をつなげることができます。

例えば、外部サービスの調達情報をSAP Fieldglassで管理し、発注や財務承認、請求処理などをSAP S/4HANA側で管理する構成が考えられます。

SAP公式の連携シナリオでも、外部サービスの調達に関する発注書、サービス実績、請求書などの情報をシステム間で連携する仕組みが説明されています。

なお、SAP S/4HANA Cloud Public Edition、SAP S/4HANA Cloud Private Edition、オンプレミスでは、利用可能な連携シナリオや設定方法が異なる場合があります。導入時には、利用するERPのエディションやバージョンに対応した公式仕様を確認する必要があります。

SAP FieldglassとSAP SuccessFactorsの違い

SAP FieldglassとSAP SuccessFactorsの大きな違いは、外部人材の管理と従業員の人事管理という役割の違いです。SAP SuccessFactorsは、従業員の人事情報や人材管理を支援するクラウド型の人事ソリューションです。

一方、SAP Fieldglassは、派遣社員や業務委託先などの外部人材の調達・管理を中心に扱います。

比較項目 SAP Fieldglass SAP SuccessFactors
主な対象 外部人材・外部サービス 主に自社の従業員
主要業務 人材調達、契約、稼働、サービス管理 人事情報、採用、人材育成、人事評価など
主な目的 外部人材の活用と管理の最適化 従業員の人事・人材管理の高度化
連携による効果 社内外の人材情報を組み合わせた総合的な人材管理

両製品を連携させることで、正社員と外部人材を含めた総合要員管理(TWM:Total Workforce Management)を進められます。

例えば、SAP SuccessFactors Employee Centralで従業員や組織情報を管理し、SAP Fieldglassの外部人材情報と組み合わせることで、人材構成をより広い視点から把握できます。

ただし、情報の統合範囲は連携方式や設定によって異なります。すべての人事情報が自動的に統合されるわけではないため、導入時の要件確認が必要です。

SAP FieldglassとSAP Aribaの違い

SAP FieldglassとSAP Aribaは、どちらも調達業務に関連するSAP製品ですが、得意とする管理領域が異なります。SAP Fieldglassは外部人材や外部サービスの管理に重点を置き、SAP Aribaは購買・調達プロセスやサプライヤーとの取引管理などを支援します。

例えば、一般的な物品の購買やサプライヤーとの調達取引にはSAP Aribaが関わり、派遣社員や外部サービスの契約・稼働管理にはSAP Fieldglassが関わる構成があります。

両製品を連携させることで、サービス調達に関する発注や実績、請求処理などの情報をつなげることも可能です。

ただし、SAP Aribaにもサービス購買に関する機能があります。両製品の利用範囲を単純に分けるのではなく、調達対象や契約形態、必要な管理粒度に応じて役割を整理することが重要です。

SAP FieldglassとSAP Business Technology Platformの関係

SAP Business Technology Platform(SAP BTP)は、SAP製品や外部システムを接続し、データ活用やアプリケーション拡張を支援する技術基盤です。SAP Fieldglassを既存の業務システムと連携させる際にも、関連サービスを利用する構成があります。

例えば、SAP BTP上のSAP Integration Suiteを利用し、SAP FieldglassとERPなどの間で業務データを連携するシナリオがあります。

連携する情報としては、外部人材や取引先のマスターデータ、発注情報、サービス実績、請求情報などが考えられます。

ただし、SAP Fieldglassを導入するすべての企業でSAP BTPの追加開発が必要になるわけではありません。利用可能な標準連携や既存システムの構成を確認したうえで、必要な連携方法を選択することが重要です。

SAP Fieldglassの導入が向いている企業

SAP Fieldglassは、外部人材や外部サービスを継続的に利用し、管理業務の標準化や可視化を進めたい企業に向いています。特に、利用部門や取引先が多く、契約や支出の管理が複雑になっている企業では、導入効果を検討しやすくなります。

複数の部門や拠点で外部人材を活用している企業

複数の部門や拠点で外部人材を活用している企業は、SAP Fieldglassの導入を検討する価値があります。管理方法を統一し、契約情報や稼働情報を全社的に把握しやすくなるためです。

例えば、開発部門、製造部門、管理部門がそれぞれ異なる派遣会社と取引している場合、部門ごとに契約条件や管理ルールが異なることがあります。

SAP Fieldglassで情報を集約すれば、部門間の違いを確認し、管理ルールの標準化や調達条件の見直しを進めやすくなります。

外部サービスの支出管理を強化したい企業

システム開発、保守、コンサルティングなどの外部サービスへの支出が大きい企業にも、SAP Fieldglassは適しています。契約内容とサービス実績を関連付けて管理することで、支出状況を把握しやすくなります。

特に、業務委託先が多い企業では、契約書や請求書だけでは実際のサービス提供状況を十分に確認できない場合があります。

SAP Fieldglassを活用すれば、サービス調達のプロセスを整理し、契約内容に沿った管理を進められます。

SAP製品を利用している企業

SAP S/4HANAやSAP SuccessFactorsなどを利用している企業も、SAP Fieldglassの導入を検討しやすいと考えられます。既存のSAP製品との連携によって、調達・会計・人事などの情報を組み合わせた管理を目指せるためです。

例えば、外部人材の情報を人事システムと連携し、外部サービスの支出情報をERPとつなげることで、部門をまたいだ情報管理が可能になります。

ただし、SAP製品を導入済みであっても、追加の設定やデータ整備が必要になる場合があります。既存環境との適合性を確認することが重要です。

SAP Fieldglassの導入手順

SAP Fieldglassの導入では、現状業務の整理から要件定義、システム設計、テスト、運用定着までを段階的に進めることが重要です。特に、人事部門と調達・購買部門、情報システム部門の間で管理範囲を明確にする必要があります。

STEP1. 外部人材管理の現状と課題を整理する

最初に、外部人材や外部サービスをどのように管理しているのかを整理します。管理対象や現状の課題を把握することが、適切な導入範囲を決めるための出発点です。

具体的には、次のような情報を確認します。

  • 外部人材の人数と利用部門
  • 派遣・業務委託などの契約形態
  • 取引先や契約条件の管理方法
  • 稼働時間やサービス実績の確認方法
  • 支出管理や請求処理の流れ
  • 既存の人事・購買・会計システム

また、Excelによる管理の負担、契約更新の漏れ、部門別の管理方法の違いなど、具体的な課題を洗い出します。

現状を整理することで、SAP Fieldglassに求める機能や優先順位を決めやすくなります。

STEP2. 導入目的と必要な機能を明確にする

次に、SAP Fieldglassを導入する目的と必要な機能を明確にします。すべての機能を一度に導入するのではなく、自社の課題に対応する機能を優先して検討することが重要です。

例えば、派遣社員の契約や稼働管理が主な課題であれば外部要員管理を、業務委託の成果や費用を管理したい場合はサービス調達を重点的に検討します。

また、導入効果を評価するための指標も設定します。

  • 外部人材の情報を把握できている割合
  • 募集依頼から人材確保までにかかる時間
  • 契約更新や承認に必要な作業時間
  • タイムシートの確認・承認にかかる時間
  • 契約終了時の手続き完了率
  • 外部サービスの予算と実績の差

こうした指標を導入前から把握しておけば、稼働後の効果を検証しやすくなります。

STEP3. 業務フローとシステム連携を設計する

導入目的が明確になったら、SAP Fieldglassを利用する業務フローとシステム連携を設計します。既存の業務をそのままシステム化するのではなく、標準機能に合わせて業務を見直すことも重要です。

例えば、外部人材の募集依頼を誰が作成し、誰が承認するのか、稼働時間を誰が確認するのかといった役割を整理します。

さらに、ERPや人事管理システムと連携する場合は、対象となるデータや更新のタイミングを決定します。

この段階では、マスターデータの管理責任とシステム間の役割分担を明確にすることが重要です。同じ情報を複数のシステムで個別に更新すると、データの不整合が発生する可能性があります。

STEP4. 設定・データ整備・テストを実施する

業務フローを設計したら、SAP Fieldglassの設定や必要なデータの整備を行います。承認ルート、利用者の権限、契約に関する管理項目などを、設計した業務に合わせて設定します。

また、既存システムやExcelで管理している情報を移行する場合は、重複や不備を確認する必要があります。

テストでは、単に画面が動作するかどうかだけでなく、募集依頼から契約、稼働実績の承認、請求に関連する処理まで、実際の業務を想定して確認します。

特に、SAP S/4HANAなどとの連携を行う場合は、データの受け渡しやエラー発生時の対応も検証することが重要です。

STEP5. 本番稼働と運用定着を進める

テストを完了したら、本番稼働へ移行します。ただし、システムを稼働させるだけでなく、利用部門や外部の取引先が新しい業務フローを理解できるようにする必要があります。

例えば、募集依頼の登録方法、タイムシートの承認手順、問い合わせ先などを整理し、利用者向けの説明や研修を実施します。

また、稼働後は利用状況や業務上の課題を継続的に確認します。導入時に設定した評価指標と比較しながら、運用ルールや設定を改善していくことが重要です。

一部の部門で先行導入し、運用を確認してから対象を広げる方法も考えられます。

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SAP Fieldglassの導入費用と価格体系

SAP Fieldglassの導入費用は、利用する機能や組織の要件などによって異なります。SAP公式サイトでは年間サブスクリプションと従量制の価格モデルが案内されていますが、具体的な費用は個別の条件に応じて確認する必要があります。

SAP Fieldglassのライセンス費用

SAP Fieldglassのライセンス費用は、一律の固定料金として考えることはできません。契約する機能や利用規模、契約条件などによって費用が変わるためです。

SAP公式情報では、年間サブスクリプションモデルと従量制モデルが紹介されています。また、プログラムの規模や利用量が増えることで、一般的に単位コストが低下する場合があると説明されています。

ただし、適用される価格体系や契約条件は個別の見積もりによって異なります。導入を検討する際は、必要な機能と想定する利用規模を整理したうえで確認しましょう。

ライセンス以外に必要となる費用

SAP Fieldglassの導入では、ライセンス費用だけでなく、設定やシステム連携、運用に関する費用も検討する必要があります。

費用項目 主な内容
ライセンス費用 契約するサービスや利用条件に応じた費用
導入・設定費用 業務要件の整理、承認フローや管理項目の設定
システム連携費用 ERP、人事管理システムなどとの連携設計・構築
データ整備・移行費用 既存の契約情報や外部人材情報の整備・移行
教育・運用費用 利用者研修、問い合わせ対応、運用管理

実際に必要となる費用項目は、導入範囲や既存環境によって異なります。特に、複数のシステムとの連携や、部門ごとに異なる業務の統一が必要な場合は、事前の要件整理が重要です。

費用を比較する際は、初期費用だけでなく、導入後の継続的な費用を含めた総保有コスト(TCO:Total Cost of Ownership)で評価するとよいでしょう。

SAP Fieldglassの導入で注意したいポイント

SAP Fieldglassの導入を成功させるには、機能の比較だけでなく、業務ルールやデータ管理、社内の運用体制を整えることが重要です。特に次の3つのポイントを確認しましょう。

管理対象と契約形態を明確にする

まず、どのような外部人材やサービスをSAP Fieldglassで管理するのかを決める必要があります。派遣社員、業務委託先、個人事業主などでは、契約形態や管理上の注意点が異なります。

例えば、派遣契約と請負契約では、業務指示の方法や契約上の責任関係が異なります。システム上で同じ項目を管理できる場合でも、実際の業務運用まで同一にしてよいとは限りません。

対象とする契約形態ごとに必要な管理項目や承認ルールを整理し、法務部門や人事部門と確認することが重要です。

既存システムとのデータ連携を確認する

SAP Fieldglassを既存のERPや人事管理システムと連携する場合は、データの管理範囲を明確にする必要があります。システムごとに役割が曖昧だと、二重入力や情報の不整合が発生する可能性があります。

例えば、取引先情報や組織情報をどのシステムで管理するのか、契約や請求に関するデータをどのタイミングで連携するのかを決めます。

また、標準連携が利用できるか、追加の設定や開発が必要かも確認しましょう。SAP製品同士であっても、利用環境によって必要な対応は異なります。

人事・購買・情報システム部門の役割を整理する

SAP Fieldglassの運用には、人事部門、調達・購買部門、情報システム部門など複数の部門が関わります。そのため、各部門の役割を明確にしておくことが重要です。

例えば、人事部門が外部人材の管理方針を担当し、購買部門が調達条件や取引先を管理する体制が考えられます。また、情報システム部門はシステム連携やアクセス管理を支援します。

役割分担は企業によって異なりますが、管理責任が不明確なままでは運用の定着が難しくなります。導入前に責任者と承認フローを整理し、継続的に運用を改善できる体制を整えましょう。

SAP Fieldglassに関するよくある質問

SAP Fieldglassの導入を検討する際によくある質問を紹介します。対象となる企業や料金、既存システムとの連携などを確認しておきましょう。

SAP Fieldglassはどのような企業におすすめですか?

SAP Fieldglassは、派遣社員や業務委託先などの外部人材を多く活用している企業におすすめです。特に、複数部門で契約情報や稼働状況を個別に管理している場合、情報の一元化や業務の標準化に役立ちます。企業規模だけでなく、外部人材管理の複雑さや管理上の課題を基準に導入を判断するとよいでしょう。

SAP Fieldglassは中小企業でも導入できますか?

SAP Fieldglassは、中小企業でも導入を検討できます。ただし、必要な機能や外部人材の利用規模によっては、導入・運用負担が期待する効果を上回る可能性もあります。自社の管理課題や必要な連携機能を整理し、費用対効果を確認することが重要です。

SAP FieldglassはSAP以外のERPとも連携できますか?

SAP Fieldglassは、SAP以外のERPシステムとも連携できます。ただし、具体的な連携方法や利用可能な機能は、接続先のシステムや利用環境によって異なります。導入前に必要なデータ連携を整理し、標準機能やAPIなどで対応できるか確認しましょう。

SAP Fieldglassの導入にはどのくらいの期間が必要ですか?

SAP Fieldglassの導入期間は、導入範囲や既存システムとの連携内容によって異なります。外部人材管理の一部機能を対象とする場合と、複数部門・複数拠点の業務を統合する場合では、必要な作業が変わります。要件定義から設定、テスト、利用者教育までを含めたスケジュールを作成することが重要です。

SAP FieldglassとSAP SuccessFactorsは両方必要ですか?

SAP FieldglassとSAP SuccessFactorsの両方を必ず導入する必要はありません。外部人材の調達・管理を中心に改善したい場合は、SAP Fieldglassを単独で利用する選択肢があります。一方、従業員と外部人材を含めた総合的な人材管理を目指す場合は、両製品の連携が有効です。

SAP Fieldglassで外部人材管理の効率化を目指そう

SAP Fieldglassは、派遣社員や業務委託先などの外部人材を管理するためのクラウド型ソリューションです。外部人材の調達、契約、稼働状況、サービス調達に関する情報を一元的に管理し、業務効率化やコスト管理、コンプライアンスの強化を支援します。

本記事で解説した主なポイントは、次のとおりです。

  • SAP Fieldglassは外部人材や外部サービスの調達・管理に特化したVMSである
  • 外部要員管理、サービス調達、要員プロファイル管理の3つが主要な機能である
  • 導入によって外部人材の可視化、管理業務の効率化、コスト管理の高度化が期待できる
  • SAP S/4HANAやSAP SuccessFactorsなどと連携し、より広い業務の管理を目指せる
  • 導入時には管理対象や業務フロー、システム連携、費用対効果の確認が重要である

SAP Fieldglassの導入を検討する際は、まず現在の外部人材管理にどのような課題があるのかを整理しましょう。そのうえで、必要な機能や既存システムとの連携範囲を明確にすることが大切です。

特にERPとの連携も検討している場合は、業務要件や機能要件を整理し、ベンダーに適切な提案を依頼できる準備を進めるとよいでしょう。

ERP導入に向けた要件整理を進めたい方には、クラウドERP導入 RFP実践テンプレート3点セット(作成ガイド・Wordテンプレート・チェックリスト)がおすすめです。提案依頼書の作成方法や要件整理、ベンダー選定時の確認ポイントを把握できるため、ERPと外部人材管理システムの連携を検討する際にも参考になります。ぜひご活用ください。

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AIクラウドERP導入ガイド編集部

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